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6. リフィル処方箋の現状と課題

ジョンMHA太郎の医療コラム

リフィル処方箋とは、一定期間内あるいは一定回数内であれば診察なしで薬を出すことのできる処方箋のことをいいます。

したがって、処方のためだけの診察が不要となるため、来院する患者が少なくなり、処方のためだけに来院する患者が減れば、診察が必要な患者の予約枠を増やすことができます。

また、患者の通院頻度が減れば、窓口業務や医師業務の負担を軽減、医療費の抑制につながります。

リフィル処方箋は最大3回までという上限があり、薬剤師は医師の処方指示に基づいて、リフィル処方薬を患者に渡します。

リフィル処方箋の期間については、患者の症状を踏まえて医師が判断するため、明確な期間はありません。

リフィル処方箋発行後、1回目の調剤にかかる有効期間は通常の処方箋と同じです。しかし、2回目以降の調剤に関しては、前回の調剤日を起点とし投薬が終わる日を次回調剤日として計算するようになっているため、次回調剤日の前後7日以内に調剤しなければならないといったルールが設けられています。

日本の現状

日本では長らく検討された結果、2022年にようやくリフィル処方箋が導入されましたが、現状あまり普及していません。検討から導入までに時間を要したり普及率が増加しなかったりする背景には、薬局の責任が大きく関係しているともいわれています。

薬剤師は医師の診察なしで処方された薬を調剤することになりますが、患者さんの状態によっては適切な受診をすすめるなど、医師と連携をとる必要があり、これまで以上に薬剤師の責任が大きくなります。

リフィル処方箋についてはまだまだ課題や改善点が多く、関係者の間でも意見が割れています。

・リフィル処方箋の課題

これまでは医師が処方し、薬剤師が実際に処方薬を確認して交付することで、医師と薬剤師のダブルでチェックができていました。

しかし、リフィル処方箋は薬剤師のチェックのみとなるため、医療事故が発生するのではないかと懸念されています。

また、診察しなくても処方してくれることに慣れてしまうと、必要な診察でさえも患者が受けに来なくなるケースもあるため、患者の健康が維持しづらくなる可能性があります。

その他にもリフィル処方箋を導入すれば、薬を処方してもらうための診察が不要であるため、医師および患者の負担軽減が可能です。一方で患者の診察回数が減少すれば、医療機関の収入が低下する恐れがあります。

これらの課題をクリアしていかない限り、リフィル処方箋が広く普及することは難しいように感じます。

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